他社商品の販売権利を得て代理店として販売する方法

他社商品の販売権利を得て代理店として販売する方法

マーケティング活動を行う上で市場に求められる商品を開発して、販売していくことは非常に重要ですが、自社で商品開発を行うには非常に多くのリソースを要してしまいます。しかし商品は自社で開発した商品を販売する以外にも他社の商品を販売する方法もあります。
他社の商品を販売するためには、メーカーとの販売代理店契約を結び、販売権利を得ることで他社商品を自社プラットフォームを活用して販売することができます。こちらでは他社商品の販売代理店となって自社商品を販売する方法を説明します。

他社商品を販売することで自社利益が安定する理由

販売代理店のメリット

他社商品を販売する際は、エンドユーザーに対して商品を販売しますが、エンドユーザーと直接契約を結ぶことはありません。代理店はメーカーと顧客を結ぶ役割がゴールであり、顧客との契約や商品のサポートに関しては、メーカーや販売店にて対応を行います。代理店は販売が成立することで販売手数料という形で報酬を得る仕組みになります。
そのため顧客になった後のフォローが不要で、他社商品の販売のみにフォーカスできるといったメリットがあります。販売のみにフォーカスできるということは、「早急な事業展開」「コスト回収の容易さ」「メーカーの看板利用」という3点でメリットがあり、自社の売上・利益貢献に寄与します。

早急な事業展開

自社で商品開発を行うと非常に多くのリソースを要します。しかし他社商品の販売を行う場合は商品開発は不要になり、販売チャネルだけ構築すればすぐに事業展開が可能になります。

コスト回収の容易さ

サプライチェーンの中でもコストは販売チャネルの構築に掛かる費用のみになります。そのため代理店の利益モデルは、下記で表すことができます。

計算式

利益 = (販売・紹介手数料 × 販売・紹介個数) – (チャネル構築費+チャネル運用費)

チャネル構築に掛かる固定費や変動費を得られる販売手数料を下回ることができれば、利益を得ることが可能になります。つまりチャネル構築や運用以外のコストを気にしなくて良いためコスト回収は容易になります。

メーカーの看板利用

自社に知名度が無くても販売する商品の知名度が高ければ、商品は売れていきます。自社ブランドを展開する場合は、認知度やブランド力を自社で構築していかなければいけないため、知名度の高い商品の看板を借りれることは、ビジネスを始めるうえで非常に強力な武器になります。

代理店業務が自社のポートフォリオに及ぼす影響

代理店のメリットは、上述した点以外に自社事業全体で見たときも大きなメリットがあります。代理店業務は早急な事業展開とコスト回収の容易さからキャッシュを産みやすく、自社の事業ポートフォリオの中で利益を得やすいセグメントの位置付けになります。そのため販売代理店業務で得た利益を、他事業の投資に充てるなど自社事業の拡大が図ることが可能になります。利益をしっかりと確保できる事業を持っていることは非常に大きな安心感につながっていきます。

代理店の種類

代理店といっても様々な形態があります。代表的なものでは、代理店本部の機能を請け負う「総代理店」、代理店本部に顧客を受け渡す「販売代理店」、代理店本部と特別な契約を結んだ「特約店」、見込み顧客の紹介を行う「紹介店」、商品やサービスの取次のみを行う「取次店」などがあります。

総代理店メーカーから代理店本部の機能を委託され代理店募集などの権利を持ち代理店を束ねる権利を持つ。また代理店を自社のみで賄う場合は、独占販売の権利を持つ。
販売代理店メーカーの商品を顧客に販売した際に販売手数料として報酬を頂くエージェント方式モデル。
特約店代理店本部と特別な契約を結んだ販売店。特約店はメーカーのロゴを使用できる代わりに競合他社の商品を置くことができない制約があります。
紹介店代理店本部に見込み客を紹介し、顧客が契約成立に至った場合に紹介手数料を得るモデル。
取次店商品やサービスの取次のみを代理で行い、取次手数料として報酬を頂くモデル。顧客対応は代理店本部で行う。
代理店の種類一覧

販売店と販売代理店の違い

販売店と販売代理店は似ているようですが、明確な違いがあります。販売代理店は顧客との間で売買契約を締結することはなく製造業者が契約を締結します。そのため、製造業者から商品を仕入れる必要もないため、在庫リスクもないというメリットがあります。一方で自社で商品販売価格は決められないため経済的利益は、あくまで製造業者からの委託報酬(販売手数料)に留まってしまうところはデメリットになります。

項目販売店契約販売代理店契約
顧客と契約を締結する当事者販売店製造業者
顧客への販売価格の決定権者販売店製造業者
販売店・販売代理店の利益転売利益販売手数料
メリット経済的利益大在庫リスクなし
デメリット在庫リスク経済的利益小
販売店契約と販売代理店契約の違い

他社商品の販売方法

他社商品を販売する際は、販売したい商品を探し、販売代理店契約を行うことで販売する権利を得ることができます。

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メーカー探索

メーカーには大きく分けて、国内メーカーと海外メーカーの2種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自社のチャネルで販売する際に利益が得やすい方を選択し、メーカーを探索します。

国内メーカー言語の壁が無く、メール以外にも電話や直接対面で交渉をするなど複数のチャネルでコミュニケーションを取ることが可能。
また物理的な距離が近いことにより、納期や仕入時の経費(送料、関税など)などもメリットとして挙げられる。
海外メーカー海外メーカーの商品は国内メーカーの商品との差別化がしやすくかつ信頼関係を築ければ国内での販売独占権を得やすい。
国内メーカーと海外メーカーの違い

メーカーの探索方法

メーカーと取引する際は、直接メーカーと交渉する方法と販売代理店募集情報を集約しているポータルサイトから見つける方法と大きく分けて2つあります。

直接メーカーを探す

直接探す場合は、自社が取引したい商品やサービスを提供しているカテゴリを検索したり、ピンポイントで会社名やブランド名を検索をして探します。セールスパートナーを募集しているブランドであれば、ブランドサイトに募集要項が記載されていたりします。
例えば、新規ユーザーとの接点を持つために活用できるGoogle広告は、パートナープログラムを設けています。Google広告はパートナー契約を結ばなくても代理店として活動はできますが、公式に認定されたパートナーは、教育やサポートまた報酬を受けることが可能になります。またGoogleから公式に認定を受けているという大きな信頼度を得ることができます。

ポータルサイトから探す

販売代理店として契約できるブランドを集約しているポータルサイトはいくつか存在します。「代理店募集」と検索すると様々なメーカーと代理店をつなぐためのポータルサイトが出てきます。またデジタル上で顧客をメーカーのサイトに飛ばし契約をアシストするアフィリエイトも紹介業務になります。

代理店募集ポータルサイト「代理店募集」と検索することで数多くのマッチングプラットフォームが出てきます。自社が展開しているプラットフォームで販売しやすいメーカーを簡単に探すことが可能。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)ASPはインターネットを中心に成功報酬型広告を配信するサービス・プロバイダです。ASPから広告主の商品やサービスを簡単に探すことが可能。
ポータルサイトから探す方法
2

メーカー交渉

販売代理店契約を結びたいメーカーを見つけたら、代理店契約を結べるようにメーカーと交渉を行います。メーカーと交渉する際には、既に用意されたプラットフォーム上で申請を行うのか直接メーカに交渉する方法の2つあります。

用意されているプラットフォームを活用

ブランドサイトで独自で代理店を募集している場合や代理店募集ポータルサイト、ASPでメーカーを探す場合は、そのプラットフォーム上にメーカーと交渉するための申請手段が用意されています。そのため各プラットフォームの手順に合わせて、代理店契約を結ぶための交渉を実施します。

メーカーとの直接交渉

既に用意されているプラットフォーム上で代理店契約を結ぶ手順が用意されていない場合は、メーカーと直接交渉を行います。メーカーと直接交渉する場合は、そのメーカーが連絡先として記載しているメールアドレスや電話番号宛に連絡を行います。またメーカーの希望があれば、直接会って対面での交渉も実施し、信頼感を掴むようにします。

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販売代理店契約

メーカーとの交渉で販売代理店として認めてもらえたら代理店としての契約を行います。契約の手順はメーカーによって異なりますが、契約時に契約書を作成すると思うので、契約書の中でメーカーとの認識相違が無いように調整します。

契約書サンプル

販売代理店契約は、販売代理店が製造業者の代理人となって製造業者の商品を顧客に販売するという契約になります。

販売代理店契約書

25条の項目を用意した契約書のフォーマットをGoogleドキュメントにて用意しています。
※編集権限の付与は行なっていません

契約チェックポイント

自社が想定する代理店契約が結べるかは契約内容によるため、下記のチェックポイントも考慮しながら、契約書に不備がないかチェックします。

第2条(代理権の授与)

製造業者が販売店に付与する販売権は、独占的販売権か非独占的販売権の2種類になります。契約書サンプルでは、非独占販売権としての販売代理店である場合を想定した記述になるため、独占販売権が欲しい場合は、書き換えが必要になります。

第5条(販売代金の取り扱い)

販売代理店での代金の受け取りは、販売代理店が委託者(製造業者)に代わって販売代金を受領するケースと委託者(製造業者)が本商品の販売代金を顧客から直接受領する2つの方法があります。契約書サンプルは前者で記載されているため、後者の場合は、サンプルから書き換えが必要になります。

まとめ

自社ブランドを構築して顧客に届けるためには沢山の工程が必要になり、非常に大きなリソースを要します。しかし他社商品やサービスを販売する方法を取れば、販売チャネルの構築さえできれば事業を開始することができます。
他社ブランドの商品・サービスを販売するには、自社販売チャネルと相性の良いブランドを探し、販売代理店になりたい旨を交渉し販売代理店契約を締結することで販売が可能になります。在庫リスクは無く販売した分だけ、販売手数料として報酬を得ることができるため利益を得やすいモデルとなっており、自社の事業ポートフォリオの一部に組み込むことで、経営基盤がより強固になります。

参考文献

今回の記事を書くに当たって参考にさせて頂いた文献一覧。